[ときとして夕ぐれ時に]

ときとして夕ぐれ時に
すみれ色の空に 出逢う
その美しさに目を見張る そんなとき
なつかしく大切な思い出が蘇ってくる

少女の頃の部活の帰り道
夫との夕暮れの散歩
まだ幼かった息子との お稽古ごとの道すがら
孫の手を引いて歩いた海岸
お嫁チャンとの夕飯の買い物帰り
肉親との別れの車の中
友との別離を呑み込めず 一人海辺に佇んだ日々

それぞれの時の流れの中で
すみれ色の空がいつも包んでくれた
あれはまぼろしだったのだろうか

あの美しい色だけが
残像として残っている